つれづれのおと

ディアマイロックスター

STAY ALIVE

聴きました、brainchild'sのニューアルバム。わたしがファンになってから初めてのフルアルバム、単純に嬉しい。そして毎日これでもかとリピートしてるけど、飽きない。
曲の一つ一つがカッコよくて、おいおいなんだよこのアルバムー!わたしの好きなミュージシャンの方がこんなアルバム作ったの!?すごくね!?みたいな謎の感慨が再生するたびに沸き起こります。や、だからこのひとのことを好きなのだろうけど…
ライブも楽しみ。ものすごく楽しみ。
だけど、生で聴いてちょっと印象が変わっちゃう前に、アルバムについての感想やら、ちょこっとググったことやら、ぽろぽろ現れる「書き残しておきたいこと」が湧いては増えてしまい。さらに、書き綴る中で生じた疑問やら、ここ何か言ってた気がする!みたいなことについて、雑誌、ラジオ、ネットの記事までちゃんと振り返りたくなってしまって、自分でも本当にヤバいと思うんだけど、できる限りそれらをさらい直していちいち抜粋して書き留めるまでに至っていた。そのメモは到底外に出せるものではないけど(なんせ手書きである)、なんとなくこの初期衝動をまとめておきたく…。
発言は引用とも言えないほどフワッとした感じに付け加えてるのでアレですが大意は変えてない、つもり。以下、いつも以上に(と、いつも言っている気がする)偏ったり思い込んだりしてる感満載の本当に自分用メモです。
 
 
1.Better Day to Get Away
カッコいい。以上。
長くなるという前置きでそれか、と言われそうですが、や、本当にカッコいいんですこの曲…。
初めて聴いたのはえぶぶい(MV)のTV放送の時で、それまでラジオでもなるべく音の情報を遮断してたので、聴いていいものか迷いつつテレビの前で固唾を飲んでいたら、冒頭のギターリフにガツンと頭をやられました。それ以来毎日繰り返し繰り返し見ております(現在進行形)。
Pはこの曲を「(聴く人を)引きずり込んでやる」という意識で書いたと仰っていたけど、まんまと引っかかりました。お友達とオトトキDVDの上映会をやった時も「ちょ、ちょっともう一回…」などとおねだりして5回くらいえぶぶい見た。ごめんなさい。
アルバムの曲が出揃ってきてから、こんな曲が欲しいと思って書いたとはPの弁。さわおさんやあべどんさんも同じようなこと仰ることあるけど、大体そう言う曲って穴埋めじゃなく絶妙にアルバムを彩る曲だよなあ。その慧眼と、こういうのが欲しいっつって作れる能力がまたすごい。
エレキギターのリフはもちろんカッコよくてロック!!って感じなんだけど、バッキングがガットギターなのが面白い。それでなんとなくラテンな雰囲気が加わって、なおかつギターソロでベンチャーズみたいな(サーフロックと言うのでしょうか)フレーズが入るのも面白い。と思ってたら、もともとガットギターで作った曲だったのだそうで、仮タイトルも「ガット」だったと。なるほど、メインはエレキなイメージだったけど、逆だったのか。
アルバム全体に言えるのだけど、サウンドは若く青く瑞々しくて、だけどその中に、50代であるPの音楽遍歴に基づいた要素が絶妙なバランスで練りこまれているから、通り一遍の刹那的な格好よさだけじゃない味があるのだ、と思う。多分Pと同世代の人はニヤリとできて、それよりも若い人たちは「聴いたことない、なんか新しい!」と感じるんじゃないかなあ。年齢不詳のアルバム、とはよく言ったものだ、と。
 Aメロからのタム回しがめちゃくちゃ好きです。おんたん、見た目は金髪で派手っぽいけど、ドラムはすごく真面目でクレバーというか、すごく他の楽器に寄り添うというか、曲を引き立たせることを考えてる気がするなあ、と。それがどっかの長髪のドラマーさんも彷彿とさせるような。
歌詞については音人で「良かった時代(=本家のバンドを休止しているメンバーについては、元のバンド時代も含めて、という意なのかな)が逃げて行くことへの切なさも感じる」みたいにライターさんから言われていたのが印象的でした。個人的には「少しでもマシな光浴びたくってさ」というところに、Pやわっちさんの言う"怒り"(多分、何かに対して怒るということだけでなく、自分の中でどうしようもなくくすぶるもどかしい気持ちも含むのだと思う)が現れていて、なおかつそれがPが引き出したかったわっちさんのロックな部分なのかな〜と思って聴いてたけど、インタビューでもそんなこと仰ってた。けど、そんな怒りのエネルギーだけでなく、そこに切なさを伴うというのが、メロディのなせる技なのかそれとも歌詞から滲み出るのかわからないけど、ただただ抑圧から逃れようとする10〜20代の若者のそれとは一味違うな、と思ったり。ある程度色んなことを経験してきたから、勢いで逃げるだけじゃ解決しないことを知っていて、でもくすぶってるままじゃ自分はここでおしまいかもとも思うから、少しでもマシな場所に行きたい、という切実さというか。だからこそ、ただ盛り上がって終わりではないというか、余韻が残るのかなあ。
「アイガラゴー」は「I gatta go」かな、「急いでるんだ!」という口語。わっちさん曰く、英語を元にした擬音語をたくさん入れたかったとのこと。「グレイハウンドバス」はアメリカ最大規模のバス会社、またはその会社の長距離バスのことだそうで。"バス"と"花嫁が逃げる"というワードだと映画「卒業」のラストシーンが思い浮かぶなあ、とか。
それから「空に瞬く」「闇へと誘う」誘導灯って、非常口のイメージで書いたそうだけど、星のようにも感じるなあ、なんて。わっちさんはラジオでよく、ブレチャは自分を上のステップへあげてくれるもののひとつというように仰るけれど、誘導灯がつまりそういうものなのであれば、イエローモンキーのStarsとも繋がるかもなあ…と。
話戻るけど、えぶぶいもえっらいかっこいいです。シンプルながら演奏やパフォーマンスのおいしい部分を見事に切り取ってる。パンしながら横並びの4人を順に写していくカットも、Pとわっちさんのデュオのようなツーショットも新鮮だし、エレキとガットを弾くPを一画面におさめようという発想については圧倒的感謝しかない。最後のカットで弾き終わった勢いでシュッと手を下ろす仕草までものすごくかっこいい。メンバーの姿を拡大したり縮小したりも面白いなあと思ってたのだけど、スマホとかで見てるイメージなんだとか。納得。
勝手な兼ファンのアレで、アルバム全体としてなぜかピロウズみを感じてしまうのだけど、このえぶぶいもしかりで、PIED PIPERとNew Animalみたいだー!と勝手に興奮しました。似てるとかパクリとかでなく、雰囲気がリンクしてる感じ。どちらも唯一無二の音楽をやってると思うけど、なんか嬉しい。
 
 
2.Twisted Shout
これもまたかっこいい。ツツミカクサズでのコメントを聞いてるとPの推し曲のひとつなのかなあ。あれを語るPはとても誇らしげで可愛かった…。
この曲も昔にあったような(80年代の音楽がテーマらしい)、けれど新しいような感じにメロディが不思議な動きをするんだけど、わっちさんが見事に歌い上げている。渋い。Twisted〜というタイトルのごとく、アップダウンしながら螺旋を描くようなサビのベースラインもかっこいい。
歌詞の情景もあいまって、ハードボイルド映画のワンシーンみたいなイメージがあります。わっちさんの歌詞はそれでなくとも映画のようだなあといつも思うんだけど、情景や心情を具体的に描写しすぎてないから想像の余地があってそれがまた楽しい。
「マスカレード」は「仮面舞踏会」という意味。わっちさんのいつもの英語発音じゃなくしっかり「ド」まで発音してるのがなんだか新鮮だった。舞踏会から裸足で抜け出すってシンデレラみたいだなあ。チャイナガールだけど。あと砂の塔のえぶぶいの女の子も思い出したり。
 
 
3.地獄と天国
冒頭からうおー!と思いました。Major codeに入ってそう!や、後退してるという意味では全然なくて、ぱかーんと開けてる感じ、イントロから。ドラムがかっこいい!あとぎゅううううっていうグリッサンドも。
で、Pの歌。あれ、上手くなってませんか!?という謎の上から目線…ごめんなさい…いやでもPILOTの「白と黒」より、曲調もあるかもだけど、声に一本芯が通った気が。笑い声に関してはなんかこう、嘲笑とかあまりしたことないひとなのだろうな、と心がほわっとしました(?)。ライブだとどうなるんだろう、楽しみ。
この曲のベースラインがとても好きです。神田先生のベースってヒーセさんがよく言われてる"バリトンギター"に近い気がするけど、でもどっちかというとやっぱりベース寄りというか。でもその安定感がカッコいいなあ、と。
歌詞に関してはPが、昔は感じた怒りや悲しみをそのまま出していたけれど、最近は音楽的に遊べるようになった(途中で笑うのも含めて)、と仰っていたのが印象的。その辺の変化はどうして生まれたのかなあ…と思ってインタビューをあさっていたら、今の7期メンバーとやっているうちにそれもできるかな、「面白いならいいか!」みたいに思えるようになった、ということらしい。このメンバーへの信頼がどこまでも厚い…。
地獄が悪いところで天国が良いところかというと決して万人にとってそうではないかも、なんて言うと天邪鬼って言われそうだけど(Pも自覚されてるけどw)、映画「トゥーヤングトゥーダイ」のようですごくグッときたのでした。
で、またアウトロのギターがかっこいいったら!今作ではギターを弾き倒したとのPの言の通り、ギターが歌いまくり。
 
 
4.Rain Stain
タイトルを見たからというのもあるけど、イントロのアルペジオから「あ、雨」と空を見上げたくなるような曲。
これ、ものすごく好きです。メロディの切なさ、わっちさんの「スモーキー」と言われるハスキーな声、叙情的なベースラインとサビのタム回し、余韻を残すハイハット。全てがPの曲によく宿っている(と、わたしが勝手に感じている)湿度を見事に再現している。
PANGEAに入ってる「Umbrella Flower」みたいだなあ、と思ったらどうやらそれの第2弾として書いたらしい。あの曲も大好きなのでなんだか嬉しい。Pの表現する雨って、ポツポツでもザーザーでもなく「しとしと」なんだよなあ。
「baby's in gray」はビートルズの「baby's in black」をもじったのでしょうか。グレーのコートに雨粒が落ちて黒い染みになってゆくのが、かなしみに侵食されていくようでもあり。人々は降り出した雨で散って行くし、雨染みのように悲しみも沁みてゆくけれど、だからこそ晴れ間が見えただけで(体はずぶ濡れのままでも)、救われた気持ちになる。そんな歌詞が「Umbrella〜」とも通じる気がしてきゅっとします。
ちなみにこれ、Pはモンキーに持っていってもいいと思っていたそうな。わっちさん、相当なプレッシャーだったろうに…でもそれを見事に打ち返してる。純粋な興味として、あの4人で、吉井さんの歌と詞で聴いてみたい気もするけど、やっぱりこの曲はもうこの曲だなと。
「刻々、Black Blackと刻まれるDots Dots Dots」という部分なんて、軒下から落ちる雨垂れのようなスタッカートがものすごく渡會節。そして歌詞の書き方として、一番言いたいことがあるところで音が高くなったりするからそこにアツい単語を入れるということを考えてらしたようで。「何一つ俺たちを貶めはしない この悲しみでさえも」という部分の歌と詞が、やっぱり"怒り"だなあと。しびれる。
どっしりとしたタムにのせて歌われる「熱い"紅茶"を飲みに行かないか」というところが好きです。コーヒーじゃなくて紅茶。コーヒーってすごくメジャーな飲み物だしこういう時よく使われるけど、実際、苦いし人を選ぶ飲み物というか…まあ単にわたしが飲めないだけなんだけど、紅茶の方が悲しみで冷えきった体を温めるには適した飲み物な気がするのです。成長してから知る大人の味ではなく、昔からある程度馴染んでいる=ほっとしやすい温度と味というか。まあそれも人それぞれなのでしょうが。
 
 
5.Higher
一聴して、これ神田先生好きそうだなー!と思ったら本当に好きって仰ってたので笑った。や、なんだか壮大な感じが。
はいでぃーほー!って英語でヤッホー!だと思ってたけど、本当のスペルは「hi-de-ho」らしい。:▽:みたい。歌詞ではなんで「di」にしたのかなあ…と検索してみたら、そういう歌やアルバムがあるのですね。ジャズとかスウィングとかの曲が引っかかったので、響きを大事にしてそういうとこからとったのかなあ、と。
AメロBメロの、なだらかに飛んでいる飛行機のプロペラのようなギターが好きです。これもピロウズのぴーちゃんぽい…。
ライブで(お客さんも含めて)みんなで歌いたい、とPは仰っていたけど、なんか割とそういうの厭わないんだなあと思った。もちろん、曲によりけりだろうけど。コーラスもせーので全員で歌って録ったそうで、全員でできることが結構楽しい、逆にちゃんとしたバンドでないからこそ面白みが出るとのPの言に、雑味やマーブル模様を楽しめる度量というか感性を感じるのでした。
アイソレーション」は「分離・独立・孤立」という意味だけど、「山頂のアイソレーション」と言うと「山頂と同じ高さの地点のうちで山頂からの大円距離が最も小さい地点までの距離のこと(ウィキより)」だそうで。つまり、アイソレーションが大きい=孤高の存在、みたいな感じかな。背の高い誰かさんのシルエットが思い浮かぶような。
 
 
6.TWILIGHT
レトロカッコいい!ヴィヴラスラップの音はもちろん、どことなく歌謡曲ぽい懐かしさを感じる歌い方や手拍子に、洋楽っぽいサウンドや「golly!(おや!まあ!みたいな感嘆詞らしい)」なんて英語が混じるのが新鮮。なんとなく、金色のDNA生きてるなあ、と思ってしまったり。
歌詞のモチーフにしたのは、夏を求めて旅をするサーファーだそうで。しかもそこまでたどり着くのに、まず曲を聴いて、サーフサウンドなのにマイナーコード使ってるのはどうして?→あ、ウエストコースト(=日が昇るのではなく沈む方を向いているビーチ)だからか!などと自分の中のイメージから膨らませていくようなのだけど、そんなことに考えが至るわっちさんの勤勉さと引き出しの多さと思考力がすごい。その力量を信じて曲を渡しているところもあるのだろうなあ。直接どんなイメージかPに聞かないあたり、いばらの道を行くなあと思うけど、その過程はきっと血肉になってると思う、なんて。
そして「Better Day〜」とこの曲は今のメンバーでやるために作った曲だそうで。PILOTの時にもう録ってたって曲もこれなのかなあ。何かから逃げてもっと良いものを求める前向きな気持ちが疾走してる曲と、夕陽を見つめながら失くしてしまったものを少しの後悔とともに思い起こしつつ次の場所へ向かう曲。リンクするようでしないような2曲だなあと。これももしかしたらPの中では核になる曲なのかしら、と映像とか見てると思います。
 
 
7.それでいいよ
えまさんの毛布曲(と、勝手に呼んでいる曲がいくつかある、たとえばHorizonとか心々とか)。毛布のようにやわらかく手触りがよく、けれど押し付けがましくない暖かさがある曲、というイメージ。アコギもエレキも子守唄のようでどこまでも暖かく優しい。のに、うっすらと寂寥感も漂うような。
この曲に関してだけではないかもだけど、「励ますよりも、隣に寄り添って背中をさするような曲を歌いたい」「断定しきっちゃわない、光が漏れてる感じのままずっといたい」というようなことを仰っていたのが印象的。歌詞も、いつもの自分からこぼれた言葉で構成したと仰ってた、のに、それをわっちさんに歌わせた、という。それがすごく、どうして?と思ってたのだけど、その理由は、その方が「面白い」と思ったから、そして、自分が歌うと感情が100ないし120%になってしまって、トゥーマッチになってしまう可能性があるから、らしく。わっちさんも、個性を消して丁寧に歌った方が、聴き手の中で(イメージが)膨らむ、とも仰ってましたが、まさに、と思う。
自分で歌う歌は曲と一緒にできることが多いとも仰ってたので、これはそうではなかったということなのでしょうか。「面白い」というのは言わずもがな「笑っちゃう」ではなく「興味深い」の意だと思うけど、こんなに優しく、愛おしい誰かに宛てたような言葉を自分でない人に歌わせることを「面白い」と思えるのはすごい。やっぱり、自分が前に出て自分を通すのではなく、あくまで音楽として良くなる方を選ぶ、アオレンジャー気質なのだなあと。
そのオファーを受けてのわっちさんの歌がまたいい。36歳の自分には書けない歌詞、と仰っていたけど、だからこそ普段は豊かに表現している感情をあえて抑えた歌がすばらしくはまっている。
誰かが愛おしい誰かに宛てて書いた(そしてもしかしたら、そのまま出さなかった)手紙を、何年も経ってから違う人が偶然見つけて心の中で読み上げる…そんな映画みたいなシーンが浮かぶ。こういう歌は感情を込めすぎると、とかくイメージが固定化されやすいから、Pはそうはしたくなかったのかな、とか。
これは本当に余談ですが、曲を聴く前に仮タイトルを知って、その文字列を見た時に頭にパッと浮かんだ単語がありまして。そのイメージで聴いてしまったらめちゃくちゃしんどかった(もちろんいい意味で)んだけどどうしてくれるのか…いやその解釈も外れてそうだけど。風になってもあなたの心には微笑んでくれるようなひとって、そして微笑まれる対象って、あんまりいないと思うんだ。なんて。
 
 
8.On My Own
さわやかでフォークみたい?なサウンドのサビから始まるのに、その後すぐのギターはヘビー。それがまたなんだか面白い。そしたらこれもニ極面を一曲で同時に表現したかったのだそうで、サビは60年代のGSやサーフサウンド、そこに80年代の、重心の重いロックのテイストやアイドルとかみたいなリバーブを加えた曲だそうで。そんな、年代の違う音楽をミックスできるのもすごいなあ。やっぱり実験を繰り返しているみたい。一番最初のエレキギターのフレーズは、なんとなくアルバム「4」の「カラス」を思い出します。
「Better Day〜」とは逆に、日本語なのに英語に聞こえるような発音をしているのも面白いなあと。そしてこのアルバムは本当に、どこかに行く、旅に出る、的な歌詞が多いけど、最後(に出来た、という意味なのかな?)の曲だったので書きたいことを書いたとわっちさん。そんなに缶詰だったのか。でもどちゃくそいい曲(©︎ご本人)ばっかしだと思います。甲斐がありまくり。
 
 
9.Esper Girl
かわいい!楽しい!めちゃくちゃ好き!!こういうのをポップなロックというのだろうか。さわおさんの曲でもよく思うけど、これ53歳が書いたんだぜ…すごくない…?という謎の感慨が。
サビはメロディもわっちさんテイストが入ってるそうで、一回歌ってみて丸直ししたりもしたそうな。これぞ!っていう早口言葉みたいな譜割りが最高に気持ちいい。Pからそういうのを求められてるんだろうな〜と受け取ったと仰ってましたが、また見事に応えてらっしゃる。Rolling Rolaみたいな、アニソンぽさもありつつ。
アウトロのコーラス?でえすぱーがーる♪って歌ってる声は誰なのかしら。打ち込みなのかしら。ミツバチさん(ユニコーンのヴォイスチェンジャーのアレ)みたいな可愛い声で気になる。Aメロに入ってるキラキラした音も。キーボード入れて演ったら楽しそうだなあ。
インタビューでライターさんに、渋谷のスクランブル交差点を思わせる、と言われていてほほうと思った。hipster(流行りに敏感な人)、フーリガン、ゴス&ロリータ。ああ確かに。個人的には、R&R geeks(オタク)もいるので、「フロアは揺れ揺れ〜」のあたりからはライブハウスのイメージ。「いつもここにいるよ」って言われてたら嬉しいなあ。
しかしよくよく聴かなくても、また鬼のようなフレーズを弾いていらっしゃるのがすごい。わっちさんの言葉の詰め込みっぷりもすごいけど、Pはそれをギターの音でやるんだよなあ。
 
 
前評判から、聴くのに覚悟が要りそうだと思っていたけど、とても良い曲で、胸が締め付けられるような切なさを感じながら毎回聴いています。
淡々としたスネアと優しくもどこか遠くにいるようなアルペジオ、そこに乗る静かなPの歌。この感覚どこかで、と考えてみたら、アルバムbrainchild'sとPANGEAに行きついた。あの2枚に入ってる曲の、霧の中にいるような、静かで穏やかなようだけどどこか薄ら寒い、ほんのわずかだけただならない雰囲気を感じるようなテイスト。
それがサビでベースも入って世界がばーっと広がって、曇り空の中の砂漠になる、ような。静かな雰囲気はそのままに「dry dry dry」とは歌われているけれど、完全に乾いてない、やっぱりどこか湿り気を感じる。歌詞も「もっと一緒に〜したかった」と、どきりとするほどストレートな表現だけれど、どこか冷静というか。
けれど最後にわっちさんの歌が入ると、一層グルーヴ感が高まって、また景色が一変する。「それでいいよ」とは違う、100%ではないけれど感情のこもった歌声。控えめながら、または抑えようとしてこぼれてしまったような、でもPのファルセットの前に出るほどには切実な叫びのように聞こえる歌。
インタビューでPは、デュエット形式にすることで二つの並行する世界を表現したいと仰っていた。わっちさんのパートが現実を歌っている、と。
じゃあPのパートは?現実と反対ってことは理想?と考えて、個人的な解釈としては、建前と本音、というか表向きの振る舞いと心の奥底の叫び、かな、と思いました。
 
ここからはより一層、ものすごく個人的な解釈なのですが。
 
前にPは、ステージに出る前は「緊張してない、緊張してない」と自分に暗示をかける、と仰っていまして。
それを聞いた時はすごくびっくりしました。あれだけお殿様お殿様言われて、開演10分前まで肉まんって美味しいよね〜なんて言ってるのにステージでは流し目ビームキメつつギターソロで自己陶酔している、そんなひとが、そんな風に自己暗示をかけ(るほど緊張し)ていたとは、と。
オトトキの「ちょっと待っててね、こんなこともあるさ」のシーンでそれが垣間見えた気がしていたのですが(あの時は『冷静に』って自分に言い聞かせていたかもしれない)、そりゃああんな大舞台でたくさんの観客の前で、少しも緊張しない人なんてきっとほとんどいない。けれどそれを出さないようにするのが、まあプロだからというのもそうだけど、仕事や役割を背負った場面だけでなくごくプライベートな状況、つまり親しい人との別れに際してもそう…つまり感情を露わにしすぎないようにしているのであるならば、もしかしたらそれはPの美学みたいなものでもあるのかな、と思いました。
理想、または表向き、には、別れを惜しみつつまたどこかで、なんて薄く微笑んで前を向いている。けれど心の内には砂漠が広がり、瞳の奥も乾ききって涙も出ない。そして前に進むのがつらい、そんな思いも抱えている。ものすごく僭越ながら、そんな状況は自分の身にも覚えがあって、背中がぞくっとしました。
これはまあ、個人的な話なんですが…冷静で居るために、ある意味自然に湧き起こる感情を抑えるというか殺し続けていると、本当に心が乾ききってひび割れた状態になる、つまり感情自体が動きにくくなってしまうことがあるのです。それならば努力して殺さずとも冷静でいられるから楽、そう思われるかもしれないけどそれは大変なことで、ひどくなると、楽しいとか嬉しいとか好きな物事とか、その辺に対しても感情が動かなくなってきてしまうこともあったり…生きること自体が無味乾燥なものになってしまうというか。
Pが同じような状況に陥っていたかはわからないし、そもそもわたしなんぞと一緒にするのもどうかと思うけど、この曲を聴いていると自分のそんな状態を思い出して心がぎゅっとする。「それでいいよ」で、「自分が大好きなものから離れちゃだめさ」と歌っているから余計に。ああ、そう言って隣で毛布を掛けてくれるひとがこの曲の主人公にもいたらいいのに、そんな気持ちになる。
けれど救いがあるというか、それでも「道は続く」ことを知っていて、その道を進む、つまり「生きましょう」と、PANGEAの「心々」のように優しく歌われていることにほっとする(あれもすごく大好きで、どこまでも優しい曲だなあと思うのだけど、どこか他者でなく自分に向いてる曲のようにも感じる)。先に挙げたアルバム、特に1枚目だと、迷いの中に居る状態で止まっていたような気がするので…。
愛するより信じる方が難しい。そんな言葉を綴っていたひとが、自分にはまだ明日があるから、と「あなた」が言ってくれてると信じて、進む。「あなた」がそんなことを言ってくれてるなんて証拠はどこにもない。けれど前述の、自己暗示をかけるようにそう信じ込むことで、前に歩みを進められる。きっとそれは感情を殺すのではなくすくい上げる作業のような気がする。それも、他者とのやりとりではなく、ほとんど自分の中で行っている問答のように聞こえるのだけれど。
オトトキで「その時はもう、ちゃんとした涙っつうのはなかったね」というようなことを(今にも泣き出しそうな弟さんとは対照的に)淡々と語っていらっしゃるのを観て、ああこのひと、どっかで自分で処理したんだ、とぼんやり思ったのですが、それまでには心の中でこんなせめぎ合いがあったのかなあ、とか勝手に思ってしまいました。PILOTの「白と黒」で、東へとハンドルを切った時も、流れる血を「信じて」いたのを思い出すと、またさらにぎゅっとなる。
きっと、毛布を掛けて背中をさすってくれるひとは居ると思うんです。けれどそこに頼らず、また葛藤しない強さを身に付けたい、そう思いながら自分で毛布にくるまる、そんなイメージが浮かびます。や、本当に勝手に曲と重ねてしまっているだけですが。
 
今はとても弱いかもしれないけどいつかはきっと。そして本音の声が「(だから、)生きていく」とつぶやく。そうして曲は終わる。
主人公のそれは弱さというより優しさに見えるし(オトトキでも弟さんが『俺の弱さ』と口にされてて、このご兄弟はもう…となります)、無理して強くなろうとすると歪みが生じてしまうから頑張らずともいいと思うけど、生きていくうちに少しずつそうなっていければ、と言外に歌っているような気もしてそこはほっとするのでした。
アルバムの曲が出揃ったあたりで曲から生命力を感じてこの「STAY ALIVE」という一言を付け加えた、そしてアルバムタイトルにもした、とPは仰っていますが、例えば新芽が伸びて新しい命が…みたいな力というより、地中に埋まる石にぶつかってもなお深く伸びていく根っこのような、生々しいまでの叫びをこの曲からは感じるのです。
 
あとまたまた余談。
Pが死とか別れは特別なことじゃなくてずっと寄り添って生きていくもの、みたいなことをインタビューで仰っていたのが、最近自分が抱えていたものとリンクして、とても心に響いてぎゅっとした。
別れは悲しいしつらいし苦しいし、けど生きていく過程には必ずあるもの。だから恐れるなとか気をつけろとかしっかり生きろとか言うのではなく、そういうものなんだよ、と、うずくまっている人の横に温かい飲み物でも置くようなさりげなさで優しく提示してくれたことに、自分もそう思っていたところがあるので(けど、世間的にはあまり一般的でない考えかもしれないので)なんだかすくわれたのでした。真正面からの励ましの方が世間には多いし、そうしてもらった方が嬉しい人もいるだろうけど、わたしはそんな風にひっそりと寄り添ってもらう方が、だんぜん嬉しいです。
 
 
11.PANGEA 2018
通常盤のみに収録されてる曲。これが本当にSTAY ALIVEと地続きになっている感がすごい。マスタリングの際にエンジニアさんから、STAY ALIVEとほぼつなげちゃおうかと提案されたようですが、気持ちはわかる。
アルバムPANGEAに入っている原曲も壮大ではあるけれど、バンドサウンドになるとまた違う大きな力が働いて、大陸が別の旅を始めたような印象になったような。わっちさんのファルセットも、動き続ける大陸が新たな命を載せているようなイメージがわいてくるようでかっこいい。
なんだかアルバムを通して一つの流れがある気がしていて。(良き時代から、もっと良い場所へ行きたいと)逃げ出して、色々なところへ旅をして、出会いと別れがあって、そして今、何が待ってるかはわからないけれど、自分の道が足元にあること、それが先へ続いていることを改めて自覚して、それを歩む=生きていく、ことを静かに決意する。そしてそれが、これまでのブレチャの、Pの、10年間の歩みとも重なるようで、かなり新しいファンながら、すごくぐっとくるのでした。
 
 
Bn.精神一到何事か成らざらん
初回盤限定の特典として付いているDVDに収録された曲。
というか、このドキュメンタリーがまた、すごい。本当に短くはあるのだけど、要素がまとまっていて…プロジェクトを始めた頃の、「エマ」さんでも「P」でもない雰囲気をした菊地英昭さんの映像とか、リアルタイムで追っていないファンとしてはなんだか驚きだった。これは吉井さんのサポートが一段落した頃だっけ。
これまでの、今集まれるメンバーの皆さんのPそしてブレチャ評も、参加した時代や距離感に裏打ちされていてとても面白い。詳しくは見てもらいたいのですが、6期以前のメンバーは音楽性についてを中心に話してるけど、7期メンバーはとかく人間性について話しているという違いがあったように思います。その辺は付き合いの長さとかやってきたことの違いによるものなのかしら。
ライブやレコーディング、ツアーの合間の映像も「あ、ここいいよね!」ってとこが抜粋されてて、ツボが抑えられてるなあと…見覚えのあるスタッフさんがチラチラ映っているのも、カメラとメンバーの距離感が近いのも、皆で作っているプロジェクト感があって、いいなあ、素敵だなあと思います。
精神一到〜」という言葉(と、歌詞に出てくるもう一つのことわざ?も)は恥ずかしながら初めて知りました。やると決めて精神を集中して行えば、何事も成せないことはない、そういう意味の言葉。タイトルだけ見ると堅苦しいけれど、曲は暖かくてどっか切なさもあるけどハッピーな感じの開けた曲で、ものすごく大好きです。Go  Awayとか君がいて笑って、のような、ほんわりとした明るさというか。
編成についてはPが食べ物に例えていたけれど、本当に豪華で、それぞれが個性的でいい意味で混ざり合ってなくて、けれどバラバラにならずに一つの曲を作り上げている。ギターを手にした頃に憧れた某バンドのようなことがしたかったと語られていたけれど、こんな作り方、まとめ方ができるのはメンバーそれぞれの力量、そしてブレチャの融通無碍の精神と器があってこそかなあ、と。わっちさんがラジオで、僕らは常にPにとって一番面白い最新のオモチャでありたい、Pの存在が遊び場そのものなのかも、ということを仰っていたけれど、まさに、だなあ。個人的には、Pが作る箱庭と、そこで自由に遊ぶ人形たちのようなイメージもあります。
黎明期から参加してるケイタさんと、最新のボーカルであるわっちさん、そしてPの3人が歌っているというのも、誠ちゃんおんたんのツインドラムも、キラキラと上に乗るMALくんのキーボードも、スタジオで向き合って弾く鶴のお2人も(個人的にはNokiaくんの声も大好きなのだけど、あえてここでギタリストとして参加してもらってるところがまた憎い。間奏弾いてるとことかめちゃくちゃ『憧れの方とツインギターですねえよかったですねええ』ってなる。今さらだけど)。できるならばいつか、みわさんゆまくんおーさこくんも一緒に、フルメンバーで観てみたい、なんて、贅沢かなあ。
 
 
 
アルバムのアートワークもめちゃくちゃ好きで、呟きもしたけど、枝のようで根っこのようで、血管のようで稲妻のようで、というイメージはPも持っていたらしい。じゃがいもみたいに養分たっぷりのメンバーから伸びる枝、とも仰っていて、そっちか!と。サツマイモのような塊根じゃなく塊茎なのね。メンバーの養分をもとに芽を出し枝を伸ばしているのね。
でも逆に、そうやって広がった音楽の枝から伸びる葉が光合成をして作った養分を、またさらに根っこにいるメンバーが吸収しているようにも見える。なんだかそれっていい循環だよなあ、と思うのでした。
 
 
はてさてずいぶん長くなってしまいましたがスッキリしました。逆にこんだけ吐き出したいことがあったのかと自分で自分に引いています。きもちわるー。
散々御託を並べましたが、こんな小難しいことこねくり回して考えずとも、カッコいいバンドサウンドにガツンとやられまくるアルバムです。ので、ぜひ一聴を(誰に言ってるのか)。
ロックはクラシックになっている(良くも悪くも最先端でない)とPも仰っていましたが、でも普遍的な部分もあるし、パワーを持って発信していくものとの認識もあるそうで。そのパワーに心を動かされるわたしのような人間ももしかしたら減っているのかもしれないけれど、でもこのアルバムでモチーフにしたどの年代にもかっこいいロックサウンドはあったわけで。「今の世の中とうまく融合したい」との言葉通り、時代を先取ってはいなくてもかっこいいと思えるものを作り続けてくれる、そんな存在が居てくれることをとても頼もしく思います。
さて、ライブでもまたガツンとぶん殴られるんだろうなあ。Pはライブへの意気込みを聞かれて、CDと同じことをする、みたいに仰ってましたが、それはある意味では本気なのかなあと。このアルバムはこの4人だけでライブをやるということを前提とした曲作りをした(例えば、音は好きではあるけど鍵盤を入れたりとかはしない、とか)とも何度か仰っていたので、このアルバムにこめられた熱量のまま、またはオーディエンスがいることでさらにパワーを届けてくれるんじゃないかしら。今からものすごく楽しみです。

2017.12.16 ZeppSapporo

行ってきました、若返る勤労。
 
 
やー、楽しかった。
色々忘れたくない、濃いいライブでした。
思いの丈が気持ち悪いくらいたくさんありすぎて、なおかつこれから行くどなたかの目に触れるところでぎゃあぎゃあ言うのも、と思ったのでこちらに。
 
いや本当に、可能ならなにも知らない状態で観ていただきたい。すごいからマジで。ライブハウスのユニコーンすごいからマジで。
セトリを知っててもすごいには変わりないと思うけど、次はなにを繰り出してくるんだろ〜っていうドキドキがあるとまた楽しいじゃないですか。あっ私だけですかそうですか。
まあ知ってしまったとしても、ユニコーンの場合、曲をただ演奏するだけじゃなく、楽しい演出があったり、演奏するだけだとしてもやっぱり音源より格段にレベルアップしてたりするから、思い切りドキドキできるのだけど。
 
ちなみに、ここまで読んでいただいたらお分かりかと思いますが、やたら長いです。くどいです。
読んでくださる場合は、スタンディングということでいつも以上に視界が限られていて、なおかつ記憶装置も最近は今まで以上にポンコツ化しており、さらに昔の彼らや音楽の知識もあるわけでない、ということを前提として臨んでください。
とにかく本当にレポというよりかただの個人的な覚書なので…よろしくお願いしますッ(あのマイクを通した声で)。
 
 
楽器配置は最近のいつもの感じ。
バックには真っ白で立体感のある30周年ロゴ。カッコいい。前日に観たピロウズはバンドのロゴを白っぽい平面で作って掲げていたけど、それはそれでかっこよかったなあ、と思い出す。
フロアの照明が落とされると、キーンコーンカーンコーン、ってチャイムと話し声、それがだんだん「あの」人々のざわめきになっていく。それに合わせてメンバーが登場。えびてしかにたみあべ、の順だったかな。あべどんさんは安定のシャンパングラス持参。
 
 
1.雪が降る町
誤解を恐れずに言うと、個人的にはこの曲は、世間やファンの方々の中で言われているほど思い入れがあるわけではなかったのです。
や、やってくれたら嬉しいけど、MVのちょっとよそよそしい感じとか、擦り切れそうなほど見た勤労ロードショーのあのピリッとしたリハ映像とか、そういうのが染み付いているからなのか、他の方ほど、わあ!(歓喜)とはならないという…
それが、今回は違った。
東京で観た時もよかったけど、それ以上に「まとまって」いた、気がする。
聴いててなぜか自然にポロリと涙が出たのには自分でもびっくりしました。僕らの町に今年"も"雪が降る、って歌詞が、大好きな札幌の街と重なったからかなあ。歌詞も含めて心にすうっと入ってくる演奏でした。
 
アウトロで早々に、
民「ありがとうございまーす!てっしー!えび!かーにっさん!あべどん!」
手「奥田民生ー!」
と、挨拶しちゃうのは東京と同じ。
 
演奏中、早々にヨッシーさんを手招きして、耳打ちして打ち合わせするあべどんさん。
この後2〜3曲目の間にもなんか打ち合わせてたので、何かあったのかなあ。口が「大丈夫」みたいに動いていたのも見えました。
民生さんも時々チラっと見たり思いっきりキーボードの方向いてたりしてたし(民生さん自身も、モニター音量上げろ(多分)みたいに袖に指示した一瞬もあった)、3曲目だかの終わりでテッシーもキーボードブース下へ行ってなにやら打ち合わせたり。
で、曲が終わったと思ったらあべどんさんの口がもぐもぐしていました。何かはわからないけど後ろを振り返って前に向き直るたびにとにかくもぐもぐしている(←終演後のメモをそのままペーストした)。
 
 
2.はいYES!
ゆけはーいYESはーいYESのとこ、あべえびで歌う。あれ?イーガではあべたみじゃなかったっけ??
でもそれがなんかよかった。2人の声質なんか合う。似てないけどミスマッチで良いってのではなく、なんだか自然に合う感じ。
この曲は嬉しかったなあ。聴くたびにイントロから踊りだしたくなるようにワクワクする、大好きな曲です。これからも時々、フェスとかでもやってほしい。はいはいはいはい!って盛り上がりたい。
 
 
3.パープルピープル
これも嬉しかった。猪鍋なんかをうり!にし!た!みたいに、歌に合わせて鍵盤を叩くように弾いてたのがよかった。
この曲の最後かな、メンバーそれぞれを照らすライトが5色に分けられていたのがきれいだったー。ただ、あべどんさんが赤だったのは覚えてるけどそれ以外の方々が…すみません……D3P.UCの名前が字幕で出るとこの色分けだった気もする。赤青黄紫緑?
 
 
4.ハヴァナイスデー
故郷は札幌〜♪私も昔は…
豊平川か?語感悪いか?と思ってたら確か黙っちゃってたのでびっくりしたw
 
 
5.Hystery-Mystery
6.サービス
すごかった。カッコよかった。
BOOMとか特に、時代だなあって感じの曲が多い印象のアルバムなのだけど、でも今のユニコーンが演奏すると今でも普通に通用する曲になるのがすごい。普通にカッコよかった。
ZツアーでMaybe blueをやった時はピアノの音色のドラマチックな美しさにびっくりしたけど、今回は再始動後時々よく使ってらっしゃる音(素人にはそう聴こえる)で再現してて、それがなんかよかった。
 
そして、なんと言っても歌。民生さんの歌。
歳を重ねるごとに高い声って出にくくなると思うのだけど、普通に出てた。
音源の若く切なげな声とはまた違って、力強さが加わった感じ。ノーノーノー!ってわめくというよりは、違う!違う!とストレートに訴えかけるような。
照れ隠しなのかなんなのか、ロボットみたいにカクカク腕を振ってスサーッと舞台に出てくるのが面白かった。
サービスの最後は気をつけの姿勢でただ立っておられたのだけど(昔のライブでもそうだったんだろうか)、なんかそれがよかった。ただ立っているだけでも絵になるのは吉井さんもそうだけど、吉井さんとはまた違う絵なんだよなあ。手持ちぶさたには見えないの、なぜか。
無理やり目を閉じて明日になれば、って歌詞をこの歳で歌われるとなんか別のところにぐっとくる。それと同じ感じ。伝わりませんね。
 
 
この後にかにさんがハンドマイクで「ど〜も〜」と前に出てくる!
民生さんが唐突に「ニシカワくん!w」と紹介してたのはこの時だったか。ニシカワって名前より「くん」づけにびっくりした(当時そう呼んでたのは知ってるけど)。そうだ先輩後輩なんだよなあって実感した。
で、かにさんはドラムセットの前に座って話すんだけど、右隣に民生さんも並んで座って話してたのがまた先輩後輩感あってよかった。Zepp札幌って何年ぶり?」「8年ぶりらしいですよ」「あーそっか、俺の50祭で…」みたいにお話。
 
かにさんのおしゃべりは続く。
テッシーのとこに行ったら「すごい汗かいてるやないか!wテッカテカやで!w」と言われて、テッシーの背後に回って両肩をつかんで汗びちゃの頭をテッシーに擦り付けるゴールデンレトリーバーかにさん。やめーや!!wってめっちゃ拒否されてたw
そんなこんなでかにさんとテッシーが話してると、唐突に「なぁんの話ですか!?」と切り込んでくるあべどんさん。聞いてなかったのかw
かにさんがキーボードブースに近づいて話してた内容を説明してあげると「ああ〜そんな話!」と納得。そしてまっすぐにかにさんをみて唐突に「すごい汗だね!!(°∀°)」とにっこり。かわいい。時差か。
 
で、曲を始めようとするかにさんに「えびには行かないんかい!」みたいに突っ込む民生さん。
川「えびは電大でいつも一緒にいるから」
民「テッシーの方が付き合い長いやないか!w」
 
 
7.ロック幸せ
オハヨー!から始まる。やっぱいいなあ。のびのびしてるなあ。
キーボードソロでブースに入り込み、あべどんさんの左(舞台奥)に回るかにさん。そしたらテッシーに手招き。弾きながらあべどんさんの前に陣取るテッシー。
で、2人してニコニコ覗き込むようにソロを見守る。
照れたように笑いながら演奏で応えるあべどんさん。ちょっとアレンジ加えてて素敵だった。しかし微笑ましすぎた。授業参観感ぱない。
そのうちテッシーが定位置に戻ってもまだ同じ位置にいるかにさん。前後に動くあべどんさんの上半身に合わせて互い違いにぴょこぴょこ顔を出しながら歌うのがまた微笑ましかった。ああいうおもちゃ欲しい。
ふとドラムセットに目を向けたら、叩いてる人はそちらに目もくれず一心不乱に叩いていたw
 
最後の、今日も…まで歌ってテッシーにマイクを向けるかにさん。顔を背けまくって逃れるテッシー。同じことをえびさんにも。あべどんさんにも。
それを見て「はよせぇ!w」と突っ込む民生さん。
最終的にあべどんさんが自分に向けられたマイクを避けながらガイコツマイクを指差し、そこであの声で「今日もいただきだー♪」とシメ。
その後のMCで「かわにっさんが押したんで」とさらっと突っ込む民生さん。しかしそれがアンコールで返す刀になろうとはw
 
 
8.夢見た男
サイレン!きたー!!嬉しい!!
東京では思いっきり「任せたな!!!」と言ってしまったのをふまえてか「ま、た、せ、た、な!」と一文字一文字区切って言うえびさん。反省を活かす。同じ轍は踏まない。すばらしい。よく見えなかったけど多分マイク持ったまま一回転してからおっしゃってた。
上手下手の端っこまで結構来てくれるえびさん。イケメいてたー。光るフラフープも健在(光るフラフープが健在なロックバンドのライブってなんだ、と我に返ってはいけない)。
終わりぎわに右手左手の順に、人指しと中指を揃えて投げキッス。投げキッス…でいいんですよね…?
曲のシメはマイクスタンド横に持つ。そしてドラムセット手前を一段降りる。そしてもう一段降りる。でシメ。なんかステッキ持って階段降りながら踊るやつあるじゃないですか、あれの静かなやつみたいだった(?)。で、え!?!?てなるメンバー(特に民生さんw)。えびさんが定位置に戻るやいなや、
民「えび!」
E「Σ(∂∀∂)!?」
と、もう一回ジャンプを促してシメさせるw
 
 
9.オッサンマーチ
これも久々にきたー!楽しかった。
東京では最後のコーラスを、メンバー(多分阿部民あたりから徐々に全員に広がった)が全部\テッシー/に変えちゃって、最終的にテッシーも自分で「あーなたもテッシー!」と歌うという矛盾が生じていたwという。
今回はもう思いっきりコーラスが\テッシー/。ニヤニヤしてたら最後に全員でフロア後方を指差して\あーそこにツッシー!/と!
やー素敵。スタッフも含めてクルーなんだなあって改めて思った。特にユニさんは昔から付いててくれる方々も多いもんね。
 
 
10.R&R IS NO DEAD
11.鳥の特急便
「お待ちかね!あべどん!」という民生さんの掛け声にふっと笑って、イマジンのようなフレーズをちょろっと奏でるあべどんさん(違う曲だったらごめんなさい…)。そして、「なーんもー…」と歌いだす。
そこからのこの2曲はもう、素晴らしかった。筆舌に尽くしがたい。
5人の音が大きなひとかたまりになって、どおおおんと迫ってくる感じ。これがグルーヴというやつなのか。
他のバンドでも、すごいな!って演奏はあるけれど、ユニコーンの場合は特に、5人がひとかたまりになっている感じがする。一人一人ははっきりくっきり別の色なのだけど、全部が同じだけのすごいエネルギーをもって合わさって、真っ白な光の玉になって莫大なエネルギーを放つような。特にリズム隊の圧がすごいと感じたのは、ライブハウスで間近で観ていたからなんだろうか。
民生さんのギュイギュイするやつがかっこいい。アウトロはいつも、龍が天に上っていくようだ、と思うのだけど、その尾がまだ見えているうちに、鳥の羽ばたきのようなあべどんさんのギターが入る。
東京では全部終わってちょっと間があってから鳥の特急便が始まっていたのだけど、それだと拍手とかが入っちゃうからクロスフェードにしたのかなあ。それもかっこよかった。
 
で、アウトロ、あべどんさんのギターだけが残って、それに合わせて照明が点滅するじゃないですか。
普通に切るのかと思ったら、最後の一音を弾くときに上半身を回転させるようにネックをぶうんと右に振ってシメたあべどんさん。
かっこいい!と思ったら、照明がつくと苦笑し合ってる阿部民。耐えきれなくなったあべどんさん、「だあってさあ!!」とイスの上に体育座り。唐突な駄々っ子。なぜ。でもかわいいかよ。
「照明とタイミング合わせなきゃいけないから(大きなアクションした)wでもわざとらしいww」と解説する民生さん。回数重ねたらかっこよくなりそうだけど、どうなのかしら。
 
 
12.薔薇と憂鬱
「皆さんこれ、漢字書けますか?」というえびさんの煽り(?)で始まる。うおー嬉しい!いつぞやのフェスぶり!
たたみかけるような演奏と歌がめちゃくちゃかっこいい。ベースボーカルってなんかいいよね。リズムとりながらだから難しいんだろうなあ。
 
 
札幌ー!!という煽りが嬉しい。そういえば札幌でユニコーンのワンマンを観るの初めてだった。嬉しい。
流れ星が流れないのはライブハウスならではだなあ。
 
 
14.SAMURAI 5
ゼーーーッ!!相変わらず楽しいのはもちろんなんだけど、今回はすごい。規模が違う
何って、旗の。
球場とかで応援団が振ってるサイズのどでかい旗。それをぶん回しながら歌うあべどんさん。これライブハウスでやるか!?と思ったけど、ホール以上の大きいとこだと確かに逆に映えないかもしれない。ものすごくかっこよかった。バンドとしても業界的にも、「お祭り的でない、かっこいい再始動」の旗振りをしたのはこのひとなんだよなあ、と思った。革命家のようだったなあ。
でもすごい…あれって持つだけでもすごい重いらしいんだよ…この後、いろんな意味で危ないことにならないように祈るばかり。
 
案の定、曲が終わった後へっとへとなあべどんさん。
フラフラとキーボードブースに戻り「つらい!w」と苦笑してスポドリをぐびり。もう一度「つらい!」ぐびり。「つらい…」ぐびり。
 
そんなあべどんさんに「いいよ、座ってて」と声をかける民生さん。
この一言が、本当にたった一言だったのだけど、すごく優しいというか自然なあたたかさをはらんでいてすごくびっくりした。
誤解を恐れずに言えば、家族とか、長く付き合ってる(けど愛が情に変わってはいない)恋人とかにかけるような、なんというか、甘やか、と言えそうな口調。
そりゃあ民生さんにだって大切な人は少なからずいるだろうし、そんな方々に対してそういう感情を向けることだってあると思う。けど、私たちがそれを目の当たりにした、という事実にびっくりした。なんかそういうの、人前では徹底的に隠すイメージだったから。そんなのどうでもいいくらいあべどんさんがグッタリしてたのかなあ、それともそういうのを多少他人に見せてしまってもいいように思えてきたんだろうか。
って、たった一言でめちゃくちゃ邪推してごめんなさい。でもなんか、あべどんさんも何も言わず座ったままギターを構えたから、きっと普段もこういう風にしゃべってるのかもって思ったらなんだか嬉しかった。
好きなひとが大切なひとを大切に扱ってるのって、見ててとても嬉しい。大切なものを大切に扱うって、何かを大切に思える気持ちと、その対象が手の内(大切に思う気持ちが届く範囲、という意味で)にある、その条件が揃わなければ決してできないことで、それってすごくしあわせなことだと思う。逆に、好きなひとが誰かに大切に扱われているのも、言わずもがな、だけど。
座ったままのあべどんさんに、少し腰を落として目線を合わせる民生さん。2人で向き合ってリズムをとりながら、次の曲。
 
 
15.すばらしい日々
16.車も電話もないけれど
なんだか大団円な2曲。解散前はそうでなかったかもしれないけれど(車も〜の立ち位置はわからないけど、アルバムを作ってる時点では結構メンバー間の状況がシビアだったという意味で)、あったかい終わり方。
車も〜の最後で、両手をめいっぱいあげてバンドを煽る民生さん。ちょいっと客席の方も向いて、後ろ手にお客さんも煽る。わーーーーースッ、て終わるの、うまくいったと思うけど、どうかしら。
 
 
ここまでが本編である。
で、アンコール。
 
 
en1.WAO!〜ブルース〜WAO!
おなじみのドラムに合わせて、クリーム色?のフライングVを携えて出てくるあべどんさん。ブレイクで「おっと…」と動きを止める。
すると襟が光る。めっちゃ光る。スタッズかと思ったら全部LED電球だよあれ………
「(襟の光り方)どれがいいですか?僕は見えないんですけども」という言葉の通り、赤と緑のLEDがいくつかのパターンで光る。凝りすぎ。だから重くて途中で首をコキコキしてたのか(多分)。レインボー色のグラデーションもあった。エマボルタのフライングVやー!!それがいい!と叫びそうになったのは秘密
最終的に、赤と緑が帯になって交互に点滅するやつで民生さんが「それがいいよ、クリスマスっぽい」と決定。
 
で、声色が変わりミツバチさん登場。そして始まるユニコーンイントロクイズ。回答者は電大(A『アナタ(民)誰ですか?』民『俺、しかい(歯科医、にも聞こえる発音で)w』)。わかった人は震えるヤングコーンをマイクに当てて震わせる。当たった人には旗を1本プレゼント、一番多く旗を手にした人が優勝。
ここまで書いてて自分は一体何を観に行ったのか?という疑問が生じてきましたがれっきとしたロックバンドのライブです。
 
イントロクイズ難しい!というか私が弱いだけなんだけど。さすがの海馬のテッシーが強い。えびさんは今日は全く手が出なくて、えび!何も言ってない!とふられると「えっえっ」とキョドる。かにさんは答えてもいたけれど、ハズレと五分五分くらいw
何問目かでテッシーがどうしてもタイトルが出なくて「アメリカの男!!」と勢いよく答えたのにツボるあべどんさん。「アメリカの男っていいねぇ!ありそう!w」と。もう一度聞いて「わかった!」と自ら手を挙げ「アメリカの男!!w〇〇の〇〇!!w」と似たようなフレーズを得意げに2つくらい言う。かわいい。語感だけで浮かんだ言葉をそのまま口にする癖かわいい。「おれ本当にわかんないのww」かわいい。
民「『抱けるあの娘』ですよ、『抱けないあの娘』ってのがあったから作ったの」
ここだったかであべどんさんが「あなたユニコーン博士ですね!!」って真正面から笑顔で褒めた(?)ものだからすごい照れくさそうなお顔してた。ジェイク。
 
ハズレだと「ぼ〜ん〜やり〜♪(夜明け前)」が流れるのは変わらず。東京では「この曲をハズレ扱いするのやめてくれない!?w…まあいいです」と作者から苦情が入っていたけど、今回はそれ言わなかった。受け入れたのでしょうか。フレーズに合わせて阿部民うなだれてしょぼんの図がかわいい。
当たりだと、第三パラダイスでおなじみ、スリラーのイントロ→あーははは、という笑い声の効果音。そのあと答えの曲を長めに流してたんだけど、今日は途中でスクラッチ入れたり曲に合わせて踊りまくったりする民生さん。はしゃいでた。めっちゃはしゃいでた。最後の方にとうとうあべどんさんから「名残惜しいんですか?w」って言われるくらいはしゃいでた。なのにどれだけ踊っても疲れてもスクラッチの入れ方がめっちゃ絶妙で笑った。DJジェイク(とあべどんさんが呼ぶ)すごい。リズム感の無駄遣い。
 
ひとしきりイントロクイズやった後は、ジェイク(民)が吹くサックスが何を奏でているかを当てるクイズ。
ジェイク、1問目から思いっきり「んだべっす♪んだべっす♪ 」のリズム。早いわ…それ飛び道具的に出す問題ちゃうん…確かテッシーがさらっと正解してた。
何問目か忘れたけど、ギンギラギンのスニーカ〜♪も奏でてて、それを聴いたあべどんさんがミツバチ声のまま歌い、あっ!となって普通の音声に変えてヨッチ声で歌ってくれた。マネージャーさん召還ありがとう。でも東京でやってた、にっちもさっちも〜!とヨッチポーズはなかったなあ。
A「最後の問題はスーパーあべどんちゃんがもらえます」何それ欲しい(大きいトリコーンフラッグ)。答えはデーゲーム、わかってヤングコーン鳴らしたwお客さんがもらってた。10列目くらいの方だったのだけど、あべどんさんが「いいか!横取りはするな!」ときちんと注釈もつけたので、前の方々の手を渡って無事届いたのでした。
 
あと多分この辺りであべどんさんが唐突に「よろちくび!よろちくび!」と連呼しながら右の身頃をチラチラさせてメンバーに何かを見せだして。見せられたメンバーは撃沈していたのだけど、よく見たらツナギの下に着てる白Tシャツの乳首のあたりにマッキーぽい線で「♡」が書いてあった。
民「遠くからじゃ見えないよww」確かにそうだけど突っ込むとこそこなんです…?
 
 
最終的に一番旗が多かった人がブルースを歌う!となったのだけど、最終問題を正解したのはあべどんさん。「テッシーに歌ってもらうつもりだったんだけど…俺(というかキーボード弾く人)いないよ!?w」と。
あべどんさんのブルースは大変渋い歌声でした。低い方で歌ってた。途中で、羽織っていた法被を右手で右肩にかけて歌ってた。海の男。いいもん聴けました…
 
さて定位置に戻り、スタッフに新しいギターを要求するあべどんさん。いつものとふた回りくらい小さくて、三重くらいの円が描かれたフライングV。かわいい。「俺にはこれくらいがちょうどいいwちゃんと音も鳴るんだ」って仰ってた。
しかし最前列の方を見て「きみどぉしたの?血が出ちゃったのぉ?はなぢでちゃったのお?そぉなの?」としきりに仰ってたけど、そのお客さんは大丈夫だったのでしょうか…。言い方だけ見れば大変可愛らしかったです。転んで鼻血ブーな同級生にしゃべりかける幼稚園児のようだった。
で、歌に戻ろうとした瞬間に、グキグキグキッ!!の効果音。とっさに合わせて動くも「不意打ちやめてくれる!?腰にくるから!!」と元凶(もちろん民生さん)に苦情。再び曲に入ろうとするけど、またやられるんじゃ…という疑念が晴れず気にするそぶりを見せていたのか、とうとう民生さんに「もう(卓から)離れてるから!w」みたいに謝られる。
その後WAO!に戻ったわけだけど、演奏中にDJ卓が撤去されていくのを目で追う民生さんが若干名残惜しそうでした。DJ…ツアーはまだ続くから…
しかしアンコール長かった。今日(ツアーで)一番長かったんじゃない?と言い合うメンバーたち。でも楽しくてあっという間だったけどね。
 
ピックを最前列の男性に手渡ししてあげていたあべどんさん。ちゃんと手に渡るように手のひらまで指を伸ばして、でも目線はフロア後ろの方へ。気遣いのひと。
ピックがなくて、ちゃらちゃら右手の指で弾いてたのもなんかよかった。
 
 
en2.サラウンド
民「このままだと最後の印象がイントロになってしまうので」
最初にキーボードでコードを奏でてから、だったかな、始まったサラウンド。素敵だ。サビでメンバーのコーラスが入るのがサラウンド感。09年のフェスで聴けるかな〜と思ってたらやらなくてにわかながら残念だったのだけど、まさか8年越しで聴けるとは。
またまたさらに大団円、て感じでおしまい。
はける時に、あべどーん!って言ったらこっちを見てくれた、気がする。目は合わなかったけれど。かにさんが言った「ありがとう」かな、生声が聞こえた。
 
 
どこだったか忘れた場面いくつか。
 
テッシーが何か言った時に、後ろで、いやいや!"ヽ(∂∀∂;)みたいに右手を振って否定するえびさん(自分のことではない)
 
・このツアーのアンコールは飽きないとスタッフにも評判(確か民生さんが言ってた)。
 
・民「俺左胸の筋肉がつった」
手「予想外のところが…」
民「(胸をさすりつつ)こんなとこ使ってないだろってところが…w」
本当に筋肉?と一瞬ドキッとしたのでありました…
 
・えびたみてしで並んで前へ出てネック縦に振りながら演奏してたの可愛かった。しかしどの曲だったか忘れた/(^o^)\
 
 
はてさてとても楽しいライブでした。楽しいというか、本当に濃かった。
まだまだツアーは続くし(それでも次の週末には終わるのか)、きっともっと進化するんだと思うと楽しみです。私はもう行けないけど、この数日間だけでも進化してるということは、ファイナルに向けてオサーン達はさらにレベルアップしていくのだろうなあ。
 
とても個人的な意見ですが、ユニコーンてホールが似合う、と思ってた。アリーナでどーんとやったのもカッコよかったけど、イベントでライブハウス出たのも良かったけど、やっぱりホールの規模感が合うなあ、と。
でも今回はすごくライブハウスが似合ってて、なおかつ無理に何かを縮小せず、その会場の規模感でユニコーンらしさ(というものにも、あまりこだわらないようにしてるかもだけど)を最大限に出していたと思う。演奏もダイレクトに伝わってきたし、似合ってた、Zepp。すごい。面白い(興味深いという意味で)ひとたち。
 

 

「若返る」と銘打ってはいるけれど(これも語感で浮かんだのだろうなw)、経験を重ねたからこそのステージだったのじゃないかなあ。こんな若輩者が言えることではないですが、まだまだ背中は遠いなあ、と、頼もしく思えたのでありました。
 
追記
余談。
正確なことはわからないけど、リズム録ってから歌詞をのせるタイプの方々ということを踏まえて、シャンブルの曲たちが2008年に作られたとすれば、サラウンドの「10年後の今日」は来年になるんだなあ。
 
10年後の今日もきっとあなたはあなたでいるし、そばに寄り添うひとも、そりゃあ10年で色々あったけど、なんだかんだできっとそばにいるよ。
 
あの時ぼんやりで爆発しそうになっていたひとに、この歌を歌っている今があることを、勝手ながらひとえに嬉しく思うのでした。

オトトキを観ていろいろ

考えていたら長すぎて、つぶやきじゃなく念仏だよこれ………というレベルになってしまったのでこちらに書きました。

予定では2回観にいくつもりでムビチケ買って、そしたら舞台挨拶つき上映回がとれちゃって、なおかつ応援上映へもお誘いいただいたのでほいほい行ってきまして合計4回観ました。また観たい!映画館のどでかいスクリーンといい音で観たい!しかし諸々あるんだから自重を…と思っていたら吉井さんのお母様は軽々と超えてきたのでさすがだなと思いました。まあペーペーもペーペーなファンなので比べようもないのですが…

 

はてさて、書いたもののつぶやきにはむかない長さ、でももったいないのでここに供養を。まーネタバレもいいところです。しかし言葉尻とかは違うかもなのでご容赦を。

そしてそして(前提というか予防線が長い)、ほんっとうにファンとしてはペーペーなので、その辺りは大目に見ていただけるとありがたい…です………。

ちなみに多分、先に触れた吉井さんのブログがなかったらここまで考えるきっかけにはならなかったなあ。

 

 

監督は、この映画で見せたかったことについて「このバンドは家族だ、ということ」と諸々のインタビューで仰っていた。
でもそれって、まあ吉井さんも映画の中のインタビューで話してるし、2時間強をかけてわざわざ伝えなくてもよいのでは…?と実はちょっともやもやしていた。
けど、合ってるかどうかは別として、自分の中で着地点が見えて「ああああ!」となったので書き残しておく。
いやーすごい。単なる再集結の記録映像じゃない。ちゃんとした「映画」だった。
 
 
このバンドは家族。最近家族感が増してる。
部屋の隅にもたれながら吉井さんは語る。本当に血の繋がった兄弟もいるけど、アニーはヒーセのことも兄貴だと思ってるし、俺もアニーのこと弟だと思ってるし、エマもヒーセのこと兄貴だと思ってるし、と。
そんな吉井さんに監督が投げかけた質問。
解散前後にどう思っていたか、メンバーに聞いたりはしないんですか?
 
監督の別の作品はたった2作しか観ていないのに語るのもどうかと思うけど、それらは両方オトトキと同じく音楽に関するドキュメンタリーで、なおかつ造りが似ている(気がする)ので、その手法を監督が今作でも踏襲しているという仮定で考える。あああでも、ピュ〜ぴるがそうでなかったらどうしよう。ごめんなさい。
上記の2作はどちらも、未知(あるいはなんとなく名前は知っているが詳しいことは知らない)の対象について、外側から追いかけていく過程で生まれたイノセントな疑問について、関係者の言葉や行動からひもといていく形式だ(と、思う)。
そして最後に、監督なりの答えを象徴するような言葉とシーンが差し込まれる。なるほど、と思ったところでエンドロール(そこに流れる映像を、そのひとつの解を持って眺めると、少しだけ涙が出そうなほど感情移入してしまったりする)。
 
それを今回も使ったとするならば、中盤ですでに「このバンドは家族だ」という言葉が出てきてしまっているあたり、それは結論(というか、監督が示したかった解)ではないし、「このバンドは家族なのか?」ということを追求するための映画ではないはず。
だとすれば、監督は彼らを見ている中で、どんな解を提示したくなったのか。
 
それは多分、結局のところ「このバンドは家族だ」ということなのだ。
 
家族だから、一度離れてしまっても、機会があればまた集まることができる。
家族だから、お互い付かず離れず、支えあいながら「keep going」できる。
 
けれど。
家族だからといって、言わなくても全てがわかる、なんてことは決してない。
アニーさんは髪の毛をくしゃくしゃと梳きながら苦笑する。「兄貴とは(解散前後に、バンドについての)話をしなかったんだよね。それは言わなくても考えてることがわかる、とかそういうことではなくて」と。
それは例えば、吉井さんのお父さんが今の吉井さんについてどう思っているかを知り得ないのと同じだ。
家族だからーー血が繋がっているからとか、長い間近くにいるからとか。
そうは言っても、人間はそれぞれ別の個体である限り、相手の考えていることなんて「外からなんて何もわからない」し、言葉にして伝えなければ伝わらないことはたくさんある。
 
昔活動していた頃、メンバーに自分の思いを察してほしくて、でも察してもらえなかったのが辛かった。でもそりゃあそうだよね、言葉にしなきゃ伝わらないんだもの。
そんなことを吉井さんは自伝で話していた。
それを知ってか知らずか、監督は吉井さんに聞く。
解散前後にどう思っていたかメンバーに聞く気はないんですか、と。
 
昔はそれぞれがそれぞれの方向を向くようになり、心が離れていって解散してしまった。それは映像からも(概要は)理解できるし、インタビューでも明言されている。
時を経て再集結した4人。けれど、それぞれの思いを共有しなければ、また同じような道を辿ってしまうのではないだろうか。
だからこそ、あの頃どう思っていたのか、聞く気はないのだろうか。
 
疑問をぶつけられた吉井さんは答える。
「聞く気はない」
「今の4人の音を聴けばわかる、それが全てだ」
それが映画を通して最後のインタビュー。
そして、ノーカットで4人それぞれを映したRomantist tasteが、最後の映像だ。
つまり、それが今のところの「解」なのだ。
 
繰り返しになるが、家族だからといって、言外から全てを察してもらえることなど不可能だ。
しかし、逆に、言葉にしなくても伝わる思いというのも、時としてある。
例えば、東京に残ろうとするアニーさんに強い目を向けた昭二さんのように。
例えば、物心ついてから初めて父親のバンドのライブを観た誠くんのように。
もしかしたら、その時の昭二さんや誠くんは、インタビューで語られていたこととは少し違う思いを持っていたかもしれない。けれど、映画の端々にみられる言動や証言に象徴されるように、メンバーはすごく周りの人をよく見ていて、なおかつ大切に思っている。そんな彼らにある種の確信を持たせるくらいには、きっとその言動は説得力のあるものだったのだろう。
 
全てを理解することは不可能だけれど、家族(便宜上この言葉を使っているけれど、これは血の繋がりという意味だけでなくて、広い意味でのそれです)だからこそ、あえて言葉にしなくても何かを媒介として共有できるものはある。
今のイエローモンキーにとってそれにあたるものが「バンドで奏でる音、そして作り上げるライブ」ということなのだろう。
 
同じ失敗をしないためにはとことんまで反省し話し合う、そんなやり方もあるかもしれない。
けれど彼らはそれを選ばなかった(少なくとも、表向きには)。
それが正解なのか、はたまた、といったところはわからない。何せまだまだ彼らの花は咲ききっていないのだ。
けれど、怒涛の2016年を経た彼らの「解」は、今のところそういうことなのだろう。
 
あのシーンだけは何度観ても飽きない、と、編集のために映像を繰り返し見たはずの監督は語っていた。
緊張や戸惑いから始まった無観客のライブ。けれど映画の最後に流れたこの曲では、彼らの表情や動きはやわらかく、楽しげに演奏している様子が伝わってくる。
それを観て何を感じるか。それがきっと、今の彼らから私たちが受け取れる全てなのかもしれない。
 
 
余談だけど、それを踏まえると、確かにタイトルは「Show must go on」じゃないよなあ、と思う(だからといって『オトトキ』の意味はまだよくわからないのだけど)。
けれど逆に、Horizonの中の一節「We must go on!」は、あの最後のシーンにふさわしいように感じる。
「続けなければいけない」というよりは「続いていくよ、終わらないよ」というニュアンスにとれるような、あの一文。

 

外からなんて何もわからないけれど、あのライブの様子を見ていると、確かにこれからも彼らはこんな表情でgo onしていけるんじゃないかなあ(トニーという音楽と人生の大先輩の言葉も踏まえて)、という気になるのだった。
 
 
追記
「映画を通して最後のインタビュー」は、食べたいと思うものを出してくれる的なやつでしたね。時系列的に最後、って意味です…
というかあの吉井さんの言葉がすべての答えじゃん!「コーヒー飲みたいんでしょ、ってコーヒー出してくれる」っていうのが!4回目でやっと理解した…(この解釈だって、合ってるかどうかわからないけれど)。
ちなみにあの言葉に関しては、釜山国際映画祭のオトトキ(英題はVibration)の紹介文に書かれてたやつだ、と後々気がつきました。盛大なネタバレしとるやん…しかし観る前にこれを読んでもネタバレとは気づかないか。
 
まあとにかく、単なるファン向けのムービーではなく、彼らの足跡をきちんとした「作品」に仕上げてくれた監督には脱帽の一言しかありません。すばらしかった。
 
 
欲しいものを察して与えてくれる、というのはCDJのシーンに集約されているような気もしました。
困っている吉井さんに対して、真っ先に駆け寄り肩に手を置いて心配してくれる人、何も言わず側にいてさりげなくスタッフとの橋渡しをしてくれる人、そして周りのことを考えすぎて突っ走ろうとするのを冷静に諌めてくれる人。
家族で言えば、それは兄弟というより親の役割のような気もする。
血縁関係がなくとも(もしくは、ないからこそ)そんな風に接してくれる存在を得られるって、ありふれているようで有難い、奇跡だ。
音楽がそれを引き寄せたのだとしたら、きっと「星になった」お父様は否定なんかしないのではないかなあ、と勝手に思うのです。