つれづれのおと

ディアマイロックスター

TOUR 2018 -STAY ALIVE-

終わりましたね。大変お疲れ様でした。
史上最多の13公演。怒涛。そしてわたしも、気づいたら6公演も参加させていただいておりました…。
最初の先行では六本木と高松しかチケット取らなかったのだけど(高松も実はかなり怖気付いていて、行くか迷ってた。ツアー開始までは)、お友達に誘われたりなんだり、あとは新潟で初めて見たときに「これは出来うる限り見届けたい」と恐れ多くも謎の使命感?にかられてこんなことに…。
でも各地、6回とも、本当に素晴らしいライブでした。行ってよかった。
 
ブレチャ関連のフォロワーさんは多くないのだけど、検索とかでうっかり…ということもあるかと思って、曲に関する部分はツアー中は(自己満で)なるべくつぶやかなかった。ので、ものすごく忘れてはいるのだけど、そして今更ではあるのだけど、すごく良きツアーだったので、一曲一曲を振り返ってみたいなと。
いつものことですが、レポとかレビューではなくあくまで個人の感想です。悪しからず。
 
ちなみに曲順は行った公演に関する自分のおぼろげな記憶と、ちょこちょこと調べてお借りしたりしたものです。入れ替えやらなんやらあったと思うので、こちらも悪しからず。
 
 
1.恋の踏み絵
客入れBGMがフェードアウトして客電が落ちて、それから始まる開演のSE。
新潟で初めて聴いて、なんの逆回転だ?と思って耳をすませていたら踏み絵ちゃんだった。Aメロのジャカジャカ、ジャカジャカってギターでやっとこさ気づいたんだけど、その瞬間鳥肌立ったしメンバーが出てきてまたそれを演奏し出したのに鳥肌立った。カッコよすぎる…
札幌以降だっけ?ストレートスタンドを導入してから、MVのようにそれを持ち上げたり肩に乗せたりしながら歌うわっちさんがカッコよかった。様になってるなあと。盛岡では演奏しながらPが目を見開いてわっちさんを見るから、ん?と思ったら逆さまにしたスタンドを天井につけてたのだった(それくらいステージが高くて天井が低かったのである)。
新潟ではわっちさんが歌詞を間違えちゃったのだけど、リズムに合わせて「俺はここからフリースタイルで歌うのか!」みたいにアドリブで歌ってたのがすごかった。
そして高崎ではギターソロ中にドラムセットの後ろを通って何がしかをしのちゃんさんと談笑するわっちさん。余裕。
 
2.Twisted shout
ここでくるか!と。アルバムでも2曲目だもね。「ハデなグラスで〜」あたりで、Pが大体ストップモーションのようなカッコいいアクションをしていたと思うのだけど、いかんせんこの辺はテンション上がりすぎて覚えがございません…。
高松で聞いたのだけど「ハローハロー」はPのハナモゲ歌からあったのだそうで。Horizonもそうだけど、ハローってふと口をついて出てきちゃうようなメロディなのかなあ。
 
3.Rolling Rola
曲前にPが「スタンディングおにたん!」とか「オニーたんよろしくぅ!」って言って、おんたんが立ち上がって叩く。彼の出す低音がわたしはなんだか好きで、立って演奏すると余計に力強く聴こえる気がして嬉しかった。
「◯◯(地名)ー!」ってわっちさんがシャウトするのも好き。そして演奏が始まるとフロント3人がガッと前に出てくるのもカッコよかった。タンバリンは今回使わなかったけど十分盛り上がってたなあ。
「hold up ほら hold up ほら 愛だぜ〜」のコーラス、新潟でもPがちゃんと歌ってたのが印象的だった。ツアーの後半はこの辺からくるくるっと回ってらしたような。
 
4.Sextant/カラス
新潟と六本木と高松でSextantを聴いた。ツアー後半はこれが来るとああ今日は7期の曲シリーズセトリなんだなあと思った。
去年のツアーでも聴いたけどグルーヴ感や表現力?が上がってる…のはどの曲もそう、だけど、この曲は特にヒリヒリ感が増しているようでカッコよかった。
この曲、前のツアーでもPがところどころ口パクで歌っていて、今回もそれが見られたのが嬉しかった。気に入ってらっしゃるのかなあ。
 
高崎と盛岡と京都ではカラス。この曲がめちゃくちゃ嬉しかった。
個人的に6期までの曲も大好きで、でもそれをライブで聴ける機会ってまあ当たり前なのだけど少ないは少ないので…。7期のメンバーで演奏するのもソリッドでカッコよくて好き。
で、なおかつ、この曲は、イントロからめちゃくちゃキャッチーで明るいサウンドなのに歌詞はどっか影を感じるのがPらしくてすごい好きなのです。なんかチラッとネットでこれをやったという情報を見てしまって、うえええどっかで聴きたい…と思ってたら3回聴けた。ありがたや。
イントロのドラムとギターのアレンジが良かったなあ。ブレチャの曲にはどれも大なり小なりPの思いみたいなものがこめられていると思うのだけど、この曲は今回の「STAY ALIVE」(と、もしかしたら、この先とこれからに向けて、という)テーマに合っている、と思う。から、なんだか聴いていてグッときてしまった。
 
5.Flight to the north
Pの手元ばっか見てた。すみません…。去年のツアーよりこっちを向いて弾いててくれる率が高かったので運指ばっか見てたけど、それでもどうやって弾いてんのかわからなかった…
ギターソロ中盤の、ピン!と高い音を弾くときの跳ねるような指の動きが、ピアノの奏者のそれのようで優雅だなあと思ってた。
確かこの曲、ツアー中盤まで最後は普通に終わってたけど、ドラムの"タカトン"でシメるようになってたような。
 
6.Rain stain
アルバムからめちゃくちゃ好きな曲だったのだけど、ライブは格別だった。
最後の「何一つ俺たちを貶めはしない」をちょっと溜めて歌うとその後が少し遅れてしまうのだけど、そこはわっちさん。「この悲しみでさえも」が早口になって、その後のハミング?がすごくドラマチックに聴こえてカッコよかった。外国の歌手みたい。「左肩」「右肩」でそれぞれ反対側の手でそれを触って、自分を抱きしめるようにして歌ってたところも。
高松で、「雨に濡れてる君の〜」あたりのベースのフレーズがPのデモにあったものだと聞いてなんだか胸熱だった。あれ雨垂れのようですごく好き。先生が弾くと(それしか聴いてないけど…)より"跳ねてる"感じがするのがまた素敵。パンフの、先生からPへの要望を読んで、ほう…と思ってたんだけど、こういうことかあ、と思ったり。
 
7.On My Own
この曲はすごかった。観ていて思ったのだけど、Pはこの曲すごく力を入れてらしたというか、ライブでより気に入ったんでないかなあ、と思ったり。それくらい、イントロから力を入れて演奏してらしたのが印象的。
高崎で「シン!ディー!ロー!パー!」って口パクしながら雄々しい顔でガン弾きしてたのがものすごく焼き付いてる。盛岡だったかでは「ベンイーキング!」のとこだったけど。
あの曲、イントロと歌が乗るとことで音のイメージというかジャンル?が違うじゃないですか。歌が乗るとこはちょっと抑えめに弾くのかなあと思ったのだけど、ガンガンに力入れてらっしゃったのだった。カッコよかった。
 
8.それでいいよ
演奏があったかい。CD音源でもそうだけど、じんわりする感じが増していたような。すごく聴き入ってしまった。
Pはサビだけコーラスしてたけど、高崎と盛岡かな、コーラスでないところもオフマイクで歌ってらしたのを見てぐっときた。
 
9.白と黒/blow/春という暴力
確かこの三曲入れ替えだったような。
高崎と高松で白と黒、新潟と盛岡でblow、京都で春という暴力…あ、これは順番違うけど新潟でも聴いた。sextantがあると白と黒が入るかな、という印象(新潟と六本木は違うけど)。
「それでいいよ」からの流れで聴くと、3曲ともなんだかグッとくる並び。
白と黒は、「それでいいよ」って言ってあげてるひとが過去に大事な人から「世の中白と黒だけじゃない」と言われたことを示唆しているように聴こえた。繰り返すけど、去年のツアーよりPの歌声に芯が通ってるというかわずかに太くなってるというか、じんわり沁みる声になっていて、高崎では自然に涙がこぼれてしまった。
blowは「それでいいよ」と背中を押されて1年くらい経った後に海辺でその頃のことを思い出しているようなイメージで聴いてた。G??を見返すと、わっちさん結構ぐっと力を入れて歌ってらっしゃるのだけど、ソロでもよく演ってらっしゃるからか、いい意味でさらりとした歌い方になっていたような。曲をモノにしているというか。その静かな感じが、逆に切なさを煽る気がする。
春という暴力は、背中を押されて旅立つことを決めたけど、まだ少しだけ逡巡があるような…これを引用していいかわからないけど「さよならごめん」て呟いて電車に乗り込むようなイメージ。新潟ではもっと後半にやってたような。
ものすごい好きな曲なので、聴けて嬉しかった以外の感想が浮かばないのだけど、去年のツアーよりやっぱりグルーヴ感があるというか…あのソリッドというのか、鋭く粗いイントロのリフにより心をえぐられた。
 
10.Higher
この曲がくるとステージがちょっと明るくなって、なんだかみんな楽しそうなのがステキだった。盛岡で一番「Hi-di-ho!」のPのコーラスが聴こえた覚えが。
ツアー後半は「君はまだ思い出せるか〜」のところで、一回ストロークしては腕をぐるんと回して天を指すP。ああ気持ち良さそうだなあと思った。もちろんパフォーマンスとしてやってるアクションだとは思うけど、それよりも「こう響け!」と出た音を操ろうとしてる意味合いも強いように見えたのだった。
 
11.Better day to get away
「リード曲っつーんですか?やるよっ!」みたいに必ず言ってから始めるP。どこかで「ラテンの風を…」みたいにも言ってた。ギターはここで毎回ミラーピックガードVに替えていた…と思う。
もうめちゃくちゃカッコよかった。この曲は本当にリード曲という名にふさわしい。新潟と高松ではアンコールにも演っていたけれど、本編そのままの勢いを失わずガンガンに前に出てきて歌い演奏する4人がものすごく「バンド」だった。
前に出たり後ろに下がったり滑るように移動したり、MVばりの動きを見せながら弾くP。ギターソロの直前に先生と立ち位置チェンジして、下手の方でモニターとかに足かけたりしてガン弾きしてるのがもう素晴らしくカッコいい。ガットギターだけになるところで、弾いてるわっちさんを右手で指してたのも素敵だった。
アウトロあたりでまた先生とチェンジするのだけど、六本木かな、ハイタッチ…というかさらりと下の方で手を合わせて繋いだ手を離すようにしていたのが印象的だった。なんか優しい。高崎ではサムズアップした拳を軽くぶつけてたような。
 
12.TWILIGHT
演奏への入り込み方を見てると、隠れリード…というか、Pの中で結構メインに据えられている曲だと思う。On My Ownもだけど、これはことさらに。
曲が始まる前、演奏に合わせてハンドクラップと上下4段階くらいのコーラスをお客さんに指導(?)して「好きなとこ(音階)で歌ってください」と煽るわっちさん。とわいらいららら、で手を左右に振るんだけどいつも左右がバラバラだったのだったw
しかし歌がよかった。Pがわっちさんのこと(と、吉井さんのこと)を役者みたいだと評していたけれど、赤いライトに照らされて歌う声と姿は本当に昭和の銀幕のスターのようだった。「どこで何してんだい〜」なんてとことか、台詞を言うようにこぶしを効かせるなあ、と。ハンドマイクも良かったけど、スタンドを握って歌ってるのも良かったなあ。
ヴィブラスラップの音はなかなか聴こえなくて(難聴)、でもやっぱりいいアクセントになってた。
 
13.Esper girl
ここから畳み掛けますよ?みたいなMCがあったりなかったり。でも本当にそうだった。前回のツアーでも思ったけどここからの曲の並びやばくないか…ころす気か…(かっこよさとテンションで)(本望だけど)。
エスパー魔美のハンドサイン(I love youも同じ形なんだってね)で「えすぱーーーがーーーる!!!」とシャウトするわっちさん。上下西東の指差しとか、らしくて好き(これもたまに左右ごっちゃになってたけどw)。「Look like a〜」あたりの早口もさすがだった。
この曲のリフも運指がすごくて見入ってしまった…。歌詞も相まってすごくポップで可愛い曲に聴こえるけど、技術としては結構高度というかベテランらしいことやってるんだなあ、とか。いい意味で、サラッと流すとそうは聴こえないのだけど、やっぱりどこか深みがあるからぐっと惹きつけられるというか。それがまたかっこいい。
 
14.地獄と天国
新潟ではやらなかった。その分、その次に行った六本木で聴いた時はめちゃくちゃ嬉しかった。し、あの広い会場でもガツンと響くこの曲にびっくりしたのだった。
サビ前に「エビバディ カモーーン!」と煽るP。ポーンと放物線を描くようにその声が響くのに毎回ぐっときていた。すごい。煽りもアップデートしている。フロントマンがいるからギタリストに徹する、とはおっしゃいつつも、"P"としての矜持が垣間見えるというか。かっこよかったなあ。
「だけどね 別のね 角度で 見てみようよ」で左右を3回くらいずつちょいちょいっと指差したり、「闇民の腐敗臭」のあたりで右手でスマホをいじったり、左手でスマホ持つ仕草も加えたり、はたまた両手でフリックしてみたり。「息をするのも〜」で鼻をつまんでいるのも京都で見た。なんか一生懸命やろうとするのではなく仕草が自然なのにまたぐっとくる。
歌ももちろんなんだけど、アウトロのギターも熱唱してた。でもその熱量が同じくらいになっていたようで、すごいなあ、と。"弾き倒す"という表現がぴったり。
 
15.群衆
あのイントロに合わせて、生の照明がハザードランプのように点滅する演出がめちゃくちゃかっこよかった。
これでもフロント3人がぐわっと前に出てくるんだけど、ライブ終盤のテンションだからお客さんも熱量がすごい。それがなんだかこの曲の歌詞と相まってちょっとぞわっとした。
多分この辺りでよくPがぐいーーーっとギターをフロアに倒したり、あと盛岡では上手のスピーカー前の本当に靴一足分のスペースに左足を置いて、スピーカーを背にして少しもたれながら弾いてたのが超絶かっこよかった。ロックギタリストで、めちゃくちゃ攻撃的な曲だったりフレーズを弾いてるのに、どこか優雅というか余裕があるというか。それがすごいかっこいい。
 
16.Rock band on the beach
おなじみハッスルタイム。土地土地のネタが楽しかった。地元の人が地元ネタに喜んでるのを見聞きするのがなんだか嬉しかった。わっちさん頑張ったなあ。
個人的には新潟の宝石みのわ(後で元ネタを見て噴いた)、六本木の八王子!エマです!、高崎の起立!注目!(ここでPが左手を腰にやり右手をまっすぐ挙げるw)礼!、盛岡の俺の右手は南部鉄器だ!ガンライザー!、京都の京阪乗る人おけいはーん、がツボだった。高松はファイナルハッソー!と総集編だったもね。
C&Rはもちろんだけど、エビバディハッソー!の後の盛り上がりも大好き。「カモンビッグウェーブ!」でわっちさんと先生がぴょいっと跳ぶのも好き。
 
17.Phase 2
ここに持ってくるなんてころす気か(2回目)。あのイントロのリフを聴くと否応無くテンション上がるのでガンガン拳をふり挙げたのだった。なんかすごくライブハウス映えする、からピロウズのライブの時みたいに盛り上がりたかったけども大抵ぎゅうぎゅうだったので、邪魔にならない程度にはしたつもり…
この曲も間奏でフロント3人が前に出てくる。ぐいーっとVを前に倒したりして、けど歌が始まるとひらりと舞台に戻っていく様がどえらくかっこよかった。
高松では曲前に、先生もVだし持っちゃう?とわっちさんもフライングVを肩にかけ、途中で3人で舞台中央にきゅっと集まって弾いてたのが最高にカッコよかった。正直、音の違いはよくわからないのだけど、フライングVって構えて様になるってなかなか難しいと思うんです。それがどえらくかっこよく決まるんだからすごい。ちらりとしか見たことはないけど、それこそ外国のバンドみたいだった。それよりか先に私の脳裏にはユニコーンが浮かんできたけどもw
新潟で、先生もサブでV持ってるもんね〜みたいな話してた(し、置いてあるのも見かけてた)から、実現してくれて嬉しかった。わっちさんは新潟で「俺フェルナンデスの2万円くらいのやつ買うw」って冗談で言ってたけど、Pのを使ってた。
 
 
六本木で初めて聴いた。そこで、曲の前にこの曲やアルバムにまつわるお話をしているのも初めて知った。
人生にはアンコールはないからね(だから、ブレチャも予定調和のアンコールはやらない)。大切に生きていこう。
(アンコールは)やるとしたら用意してないから、本編でやった曲になっちゃう。
今日という日は今日しかないからね。今日というライブも今日しかない。
適当でいいんですよ、適当で。
命を燃やして、聴いていってください。
そんなお話をとうとうとするP。これはわたしの勝手なイメージなのだけど、このひとは伝えたいことはほぼ全部音楽に込めるタイプだと思っていたので意外だった。
いやもちろん、アルバムにもライブにも十二分に込められていると思うけど、こうやって思いを言葉にしてくれてなおかつそれを聞かせてくれることが、本当に嬉しかった。しかもライブはその日限りなんだからほとんど同じことを言ったっていいのに、その土地土地やその時期にあったことをからめて、今、ここ、をきちんと生きていこうと思う、ということを毎回違う言葉で届けてくれたのも(もしかしたら、その日その日で思ったことを伝えようとしてくれていたのかもしれないけど)。
ことばってすごく便利だけど難しくて、ニュアンスが伝わらなかったり誤解を生んだりするし、だったら音楽に込めて受け取り方は人それぞれで、ってした方が(そういう意味では)面倒じゃないかもしれない。けど、きちんと言葉でも伝えてくれようとしたことがすごく嬉しかった。
そしてこれはまたすごく個人的なアレなのだけど、生きていく、その方向にむかっていてくれるのも本当に嬉しかった。盛岡で、もう53だし次の夏があるかわからない、みたいなことも淡々と仰っていて。まあ歳は関係なく、それこそ"自分にはまだ明日がある"なんて保証は誰にもできないと思うのだけど、多分20代とかよりは確かに、その確率は低い。でも、だからこそ、命を「燃やして」(決して『削って』ではなく)生きていく、そう思っていてくれることが本当に嬉しかった、し、ぐっときた。好きなひとが、誰しも必ず迎える「終わり」を意識しつつも、「どうせ」ではなく「だからこそ」の方を向いて、生きている。根底の部分はどうかわからないし、もしかしたらパフォーマンスなのかもしれないけども、それは勝手にではあるけどわたしにとっては心底ほっとすることで、ああこのひとの生きていく様をずっと見続けていきたいなあ、と思ったのでした。
長々と語りましたが曲は言わずもがな、素晴らしかった。大地を震わすような、体にずしんとくるような音に毎回毎回圧倒されて、動けなかった。おんたんのしずかなスネアもとてもよかった。
 
 
18-2.PANGEA
-2、としたのは曲数的に合わないからで、入れ替えとかしてるからなのだけど多分やってる曲は毎回全て同じだったのでは?と(曖昧)。
新潟と高松で聴きました。それ以外は最後のSTAY ALIVEが終わって流れるSEだったのだけど、それも含めて一つのライブのようで、毎回じっと立ち尽くして最後まで聴いていた。
新潟はSTAY ALIVE(というかPのボーカル曲全て)がなかったので、普通に演奏しだしたのだけど、これがすごかった。ギターを立てたシルエットが遠目からでも素晴らしく様になっていたし、ギターを水平に構えて覗き込むようにする仕草は刀の歯こぼれがないかを見る武士のそれのようだった。
そして高松。STAY ALIVEの生演奏、そこから間をおかずに演奏に入るメンバー。これがもう、怖いくらいに迫力があった。イントロのPのこれでもかというくらいのグリッサンド、中盤でブレスレットの金具がとれても本体が落ちても構わずにうねるようなサウンドを奏でる姿は、誰も見たことのない進化を遂げた生きもののようだった。龍とか恐竜とかそういうものが、怒りとか悲しみとかではない何かに突き動かされて咆哮しているような。ものすごく原始的な「生きている」を体現している、それがびりびりと伝わってくるようだった。
もちろんそれはギターだけの話ではなくて、バンド全員の力だと思う。それぞれバラバラなところから集まって組んでいるのに、これだけのグルーヴを出せるのはすごい。
 
 
en.Better day to get away
これも新潟と高松で。新潟ではPANGEAが終わったあと拍手が鳴り止まなくて、それがそのままアンコールの手拍子になっていってた。フロアの電気がつかなかったのもあるかもしれないけど(だから多分、あの日だけ初めからアンコールやる気ではあったのだろうな)、シームレスな、予定調和でない、という感じがしてぐっときた。
どちらも、疲れているだろうに全力のパフォーマンスで、本編でも聴いていたけれどそんなの関係なくカッコよかった。高松ではわっちさんもVで(ミラーピックガードをかけられてちょっとビビってたw)ガットがなくて、よりロックな仕上がりになっていたような。
 
 
使ってたギターは、主にフライングV(ナチュラルの、ミラーピックガードの、白黒の、赤っぽいの)、エクスプローラー、あとツアー前半では白SG…くらいしか見えなかった。どれをとってもかっこよくて、ギタリストだなあ!ヒーローだなあ!と毎回ドキドキしていた。でもアンプとかも含めてもっと機材に詳しかったらワクワク出来たろうに…と歯がゆい気持ちにも。
エフェクターのスイッチが集約されてる青いのとワウは足元にあったけど、ほとんど踏んでる様子がなかった気がするので、袖でしのちゃんさんが操作していたのかなあ、と。その信頼感はすごいものだなあ。仕事人。
 
 
これを書き留めるに当たって自分のツイートを見返していたのだけど、ほんの1ヶ月前のこととかなのにすっかり忘れていることばっかりでびっくりした。
なんだか最近記憶力がガッタガタに落ちてて、というのがものすごく大きいのだけど、多分わたし自身も、全力でその場に命をかけて楽しんでいたからというのもあるかもなあ、なんて。
今回のアルバムは多分一生聴いていくだろうなってくらい自分の中で大事な一枚になっていて、ライブではどうなるんだろうとドキドキしていたのだけど予想以上だった。
幸運にもメンバーが近くに来てくれたりして、でもそういう時も焼き付けようとするんじゃなくその瞬間瞬間にドキドキしてうおーうおー言っていた、気がする。おこがましいけれど、ライブを通じてわたしも生かされていたのだなあ、と。
 
文にはちょこちょことその土地土地での話を挟んだけれど、どこのライブが一番だったかというのはわたしの中では無くて、どこもそれぞれとても楽しくてカッコよかった。
ものすごく勝手な見解だけど、それは多分、brainchild'sというものが、確固たる完成形があってそれに近づこうとするというよりは、とにかく常に何かしら動く、進化していくものだからなんじゃないかなあ、と。
わたし達は常にその過程のいっときいっときを観ていて、だからそれぞれの違いは優劣とかじゃなくその時はこうだった、というだけの話というか。まあ土地土地での盛り上がりとかは色々あるかもだけども。
どんな進化を遂げていくのか、どんな道をどんな風に歩んでいくのか、それはわからない。でも音楽への飽くなき熱が確かにあるから、そこは安心してずっと見ていたくなるし、だからこそその過程がまた面白い(興味深いという意味で)。
目標もなくずるずるっと立ち上げた、とPは仰るけれど、今になってみると逆にそうやって目標を掲げずその時々の脳の産物を具現化していくスタイル、それにして良かったんじゃないかなあ。などと偉そうにも思ったツアーなのでした。
 
ひとまずP、メンバー、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。レコーディングからプロモーション、イベント、そしてツアーと忙しい日々だったと思いますが、存分に心を震わせていただきました。本当にありがとうございます。
この後はダッバーワーラーと、北海道。そこから先の足跡も、楽しみにしています。